まず、ベースドラム(以降バスドラ)を鳴らすのは、手でもスティックでもなくフットペダル(以降ペダル)です。簡単に言うとそいつを「踏みつけて」音を鳴らします。バスドラは他のドラムと違って、当たり前ですがペダル(のビーターというところ)で「ずっと同じところをヒットする」ので、基本的には音質が一定になります。しかし多くのドラマーは「その縛りの中で」表現方法を変化させるために試行錯誤を繰り返しています。
左の写真がペダルです。いきなりですが「キックペダル」とも言います。ご覧になれば仕組みはすぐお分かり頂けると思います。フットボードを踏み込めば、チェーンに繋がれた部分が引っぱられて前方に回転し、ビーターがバスドラのヘッドに当たります。そして踏み込んだ足を離すとスプリングの張力でビーターが戻されるという感じ。
ね、
「仕組みは」簡単でしょ(笑)

左の写真はTAMAのHP200(現在は廃盤)です。大きめの写真がネットにあり、説明しやすそうなので画像を拝借してきました。価格が安いのにアンダープレートも付いていて、また踏み込み時に加速度が付く
「偏心カム」を採用しつつも、クセのない素直なアクションが巷で好評です。実は私も一個持っています。今一番使用頻度が高いかもしれません。アイアンコブラ(私のはHP900R)を持っている人間が、ダウングレードしてわざわざこいつを買った理由は・・・アイアンコブラを持っている人だったらお分かり頂けるかな?(笑)

HP200はアイアンコブラよりは遙かに華奢な造りです。明らかに投入している物量が違います。比較すれば調整機能も少ないし、安いだけあって多少フットボードに左右の遊び(ガタ)もあります。でも私的には「全然これで充分かも・・・」と思いました。だってほとんど調整とかしないし(笑)。

踏み込んだ感覚は
「アンダープレートが付いて安定した現代版HP45」という感じ、長年使っていたHP45(写真左のシルバーのペダル)には愛着がありますし、今でもよく使っています。あの踏み心地が現代風にアレンジされたような感覚です。でも音量のダイナミクスを付けやすいのはHP45かなあ。何でだろう、ビーターの(形状や重さの)差ですかね。今度取り替えてみちゃったり、しちゃったり、しちゃったりして(笑)

またこれは私見ですし「お前ふざけるな!」などの反論も大いにあるでしょうが(笑)、日本の各メーカーの下から上まで数あるフットペダルの中でもこのHP200は、かのDW-5000に一番近い踏み心地だと思います(あくまでもショップの店頭での練習パッドの踏み心地です)。ちなみにこのHP200の価格は海外製品であるDW-5000(アンダープレート付きモデル)の3分の1以下です。お買い得っすよ!

それにしてもこのTAMA HP200といい、ほぼ
同価格でさらに滑らかなアクションのPearlの傑作「P-120P」メーカーホームページ)といい、この価格帯のフットペダルの異様なまでの充実ぶりは 高額機種では海外製品にかなわない 下位機種だろうと決して手を抜かない、そんな日本のペダル界(あるのかそんなもの?)の真摯な姿勢とレベルの高さを表していると思います。いや〜、いい時代になったものです。金メダルあげたいくらいです。
あ、くれぐれも誤解しないで頂きたいのですが、このHP200をメインで使っているからといってアイアンコブラが良くないわけでは決してありません(いやマジで!)。工業製品としてトップクラスの精度を持ち、ダブルチェーンでフットボードに寸分のガタも見受けられないアイアンコブラ。海外でも高い評価を受ける国産ペダルのベストセラーなのも分かります。とにかく頑丈に造られているので、軽やかなペダルプレイにはちょっとだけ向かないかもしれませんが、そんなのは私が悪いのです。その特長は比類なきド安定さ。たとえば一定の音量で踏み続けたい音楽などの場合には、こんな楽に演奏できるペダルは世の中にありません・・・

って、すっかり自分のペダルの紹介になっちゃってるじゃん!!(笑)

書いているうちにいつの間にやら自分のペダル紹介になってしまう(笑)のは、やはり私がフットワークについて何らかの答えを探せていないと言うか、「これだ!」というものをまだ皆さんにお伝えできるようなウデ(足)が無いからでしょうね・・・はあ、切ない。

まあ、
ドラムに関して悩みが無くなるなんて「一生」ありえませんし、もしそんな事があったとしたら、それは上達を諦めてしまったのと同じだと思うので、気を取り直していきましょう。<続く

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