足より手、左手より右手
この場合右手というより実際は「利き手」の事なのですが、これはドラムにおける上達の優先順位です。何度も書いていますがドラムの練習は「騒音」です。叩かなきゃ上手くならないのに、ドラムは叩く機会をどうにかして作らなければならない因果な楽器です。
楽器を買うのに大金をつぎ込んだ後に、まるで盗人に追い銭かの如く(笑)練習するためにさらに金を払う、我々のハートを盗んだまま離さないドラムという楽器はそんな切ないお方です。練習台を叩いていても家族に文句言われるなら、残された道は・・・そう「素振り」しかありません。しかしこの素振りというやつも因果な練習方法でして、スティックを投げてしまわないようにガッチリ握ってしまうクセが付きやすいのです。もしあなたが「素振り派」なら、これからはスティックを持たずに生手(素手の状態で)で素振りをしましょう。と、老婆心ながら進言させて頂きます。

さて、今回は圧倒的に練習機会に恵まれない楽器「ドラム」の中でも、
さらに練習機会が少なくなってしまいがちな「足」のお話です。
簡単に分けるとドラムの奏法は「効率が良いか悪いか」の二つしかありません。これは足でも手でも同様です。同じ音を出すのでも力が余計に入れば「効率が悪い」となり、逆なら「効率が良い」という事になります。これからこのページで実際のフットワークの奏法なんかもご紹介していきますが、書籍や雑誌や教則ビデオでの数ある諸説、また日々トレンドが更新されてゆくドラムの奏法において、現在に至るまで、絶対に「これが正しい奏法だ」というものは存在していません。そもそも奏法うんぬんなどは音楽そのものには全く関係がなく、ライブやレコーディングによる演奏の成果物すなわち「結果」が全てです。横浜ベイスターズの種田選手がヒットを量産するように、どんなにヘンテコなフォームで演奏していようが、いい音を奏で、そしていいリズムを操るドラマーが絶対的に「偉い」のです。でも我々アマチュアドラマー、いや少なくとも「私」はちょっと壁にぶつかったりすると「果たしてこれが正しいやり方なのかどうか・・・」という事をついつい悩みがちになります。

ついさっき「正しい奏法なんて無い」って言ったくせに・・・(笑)

ちょいと横道にそれますが、腕を痛めたり、手首などの関節を痛めたり、腰を痛めたりと、体に良くないとされる奏法はあります。そういう障害に悩むドラマーは多くの場合、余計な力が入り過ぎているなどの「効率の悪い」奏法をしている方が多いのですが、フォームが美しくいい音を出すドラマーが腰痛に悩んでいたりする事もあるので、その辺りは「無常の世界」と言えるかもしれません。かの「手数王」菅沼孝三氏も、以前氏の教則ビデオで「ドラムの演奏は実は体に良くない」という発言をされていました。これをご覧のドラマーの皆さま、お互い健康には気をつけたいものですね。

解けない謎を追い求め、試行錯誤を繰り返し、紆余曲折を経て今の私があるワケですが、ことフットワークに関しては

「先生!、おいら悩んだけど、ぶっちゃけよく分かりません!!」

と言わせて頂きます。
まあ、それではこの先進まないので、頑張って色々やってみましょうか(笑)<続く

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