この「ぶっちゃけそれはそれでアリ!」というページはドラムのみの専門的な用語がどんどん出てきます。全てのページに用語解説を入れるワケにもいかないので、ドラムを構成するパーツをここで紹介しましょう。写真の例はスネアドラムを使用していますが、基本的にどのサイズのドラムでもパーツの名称とその働きは同じです。
ドラムを構成しているパーツを分かりやすく超簡単に説明

写真:YAMAHAスネアドラム MSD0115
1.ヘッド:
要するにタイコの皮の部分です。薄手のものから、オイルを封入した二枚重ねの厚手のものまで幅広い商品があります。選択するヘッドによって、耐久性や、発せられる音色に大きな違いが現れます。シングルヘッドのドラム以外は上下に張られています。
2.フープ:
ヘッドをシェルに固定・密着させる為のパーツです。スチール製のものや、亜鉛などのダイキャスト、最近では「ウッドフープ」と呼ばれる木製のフープもあります。「音色」にも演奏の「感覚」にも大きな影響を与えます。取り付けた後はその辺りを「リム」と呼ぶ事が多いですが、あくまでも「場所」の事で、パーツとしてのの名前は「フープ」です。
3.シェル:
ドラムの本体部分です。木胴、金属銅、合成樹脂など様々な素材があります。それぞれの素材が固有の音色を出します。興味は尽きません。同じ素材でも各メーカーによってその製方は様々で、ドラムメーカー各社の音の個性に影響しているようです。ヤマハの工場は見学できるようです。是非行ってみたいですね。
4.ラグ:
テンションボルトを止める為のパーツです。テンションボルトのネジ穴が切ってあります。大きなもの、小さなもの、様々な形状のものがあり、ドラムの音色やルックスに大きな影響を与えています。
5.テンションボルト:
ヘッドの張り具合を調節する為のパーツ(ボルト)です。チューニングキーと呼ばれる器具で絞めたり緩めたりします。テンションボルトの数はドラムのサウンドデザインに大きな影響を与えます。
ドラムを構成しているパーツを分かりやすく超簡単に説明
■スネアドラムならではの機能
スネアドラムは他のドラムと異なり、トップとボトム、上下のヘッドの厚みをワザと変えてあり、下のヘッドであるボトムヘッド(この場合スネアサイドと呼ばれる)は極薄なタイプを使用しています。理由はスナッピーと呼ばれる「響き線」の反応を良くするためです。スナッピーは下の写真でご覧の通りワイヤーの束で、スチール、ベルブラスなど金属素材も多種、塗装してあるもの、無いもの様々です。スナッピーはシェルに取り付けてあるスイッチ(ストレイナー)でON、OFFが可能です。OFFで叩くとスネアは「トントントン」という普通の小太鼓の音しかしません。スネアならではの「タン」とか「パン」とかいうサウンドは、スナッピーによるものなのです。
スナッピー:
写真はスネアドラムを逆さにした状態です。写真AはCANOPUSのスネアで好評を得ている標準スナッピーです。他のスネアに付けたらその音もグレードアップしたので、かなりのものだと思います。スナッピーは材質の他に線の本数によってもサウンドが大きく変化します。写真Bは巷で評判の高いTAMAの幅広42本タイプ。最近新型がリリースされたようです。さすがに42本もあるとそのスナッピーサウンドはリッチで「ビシッ」とか「バシッ」という音がします。
ストレイナー:
スナッピーをON、OFFするためのスイッチ部分です。写真Cは親指でそっとONが出来るオーソドックスな横アクションのタイプ、クラシカルなモデルに使われる事が多いです。写真Dも多くのメーカーでよく使われている縦アクションのタイプで、手のひらで持ち上げるようにONにします。
スナッピーコード:
写真E
はストレイナー側で、写真Fは反対側のバット側です。バット側にもスナッピーの張りを調節する機能が付いたタイプもあります。スナッピーコードは「ヒモ」なので、多少伸縮しスナッピーの音がより豊かになります。多くの海外製品や、国内でも最近の高級スネアドラムにはよく使われています。この他には(写真はありませんが)プラスチックフィルムやフィラメントを使用したテープで止める方式があります。耐久性ではコードよりもこちらの方が勝り、ライブではこちらのタイプを使用する「安心感を優先させたいドラマー」も多く見られます。テープ式はコード式に比べると、スナッピーサウンドが少し詰まったような印象を受けますが、こちらのサウンドの方が好きだという方もいます。写真Gはコードのリッチなサウンドとテープの耐久性「良いとこ取り」のTAMA製伸縮する布製テープです。<続く

前のページへ ari4 | ドラムの仕組み:page1・2・3 次のページへ
一つ前のページへ
ARI since 2004 Copyright All Right Reserved