ドラムの音色は色々な要素が絡まって生まれます。
例えばそれはドラムの材質だったり、その材質の厚みだったり強度だったり、はたまたパーツの取り付け方法だったり、ヘッド(皮)の張り具合だったり・・・まあ、もちろん一番重要なのは叩き手の「ウデ」なのですが。
今回一番大切な「ウデ」の話は放っておいて(笑)、『ドラムという楽器』の音が出る仕組みをお話して皆さんのご機嫌を伺っていこうと思います。
太鼓(タイコ)だからドラムは鳴る、タイコとは何ぞや?
あなたが洞窟で叫ぶと「助けてくれ〜」「けてくれ〜」「てくれ〜」と音が響きます。これはエコーといって洞窟の磐などに反響して、あなたが実際に叫んだ声よりも、長く音が続くんですね。一方、あなたが修学旅行で布団蒸しにあって「出してくれ!」と叫んだ声は、囲まれた布団に吸収されて、悪意のある友人の心にも決して響くことはありません。

結論から言うと、タイコとは
中に空洞が存在し、周りがそれなりの強度を持った素材で囲まれている状態の事をいいます。もちろん洞窟ほどは入り組んでいませんが、四方を円形の壁に囲まれた箱の中という状況は変わりません。身近な例を挙げると、壁の中の柱が通っていない部分。同じ壁でも柱部分を叩くと「ゴンゴン」といった短く高い音に対して、柱のない部分は「ドンドン」という比較的長く低い音が出ます。カラーボックスや、安めの本棚なども化粧板の内側に空間があるので、叩くと「ボンボン」といった音が出ますし、お中元でもらったお菓子のスチールの箱なども、お菓子を食べてしまった後は叩くとよく鳴ります。
ムシャクシャしてスチールのロッカーを蹴とばしたあの頃、皆さん、あの音を覚えていますか?

蹴った脚の痛みを忘れるくらい大きな音が出たはずです。以上の例は全部タイコ、もしくはタイコ状態です。凹んだロッカーも掃除用具入れも仕組みはタイコ。タイコとは中に空間があるおかげで「反響」し「鳴って」いるわけです。<続く

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