ベルブラスが「欲しくない」と言えば嘘になります。でもピッコロスネアはもう既にお気に入りのTAMA PBS240がありますし、それを手放すつもりもありません。ですからもし買うとしてもレギュラーサイズの5.5インチの方が良いですし、それだとさらに高くなって定価18.9万円ですし・・・
それではこの辺りで心の声に登場してもらいましょう

いやぁ、そのうち欲しいとは思ってたんだけどさぁ、定価19万だろう?
そんなものはおいそれとは買えないよ。だいたい今年俺がドラムに幾ら注ぎ込んできたと思ってるんだよ。
ムリムリムリ! 絶対にムリ!

どうやらムリみたいですね(笑)
やっぱり在庫だけで、そのうち無くなっちゃうみたいですね。
Pennyさん、フープだけでもパーツとして取り寄せておきますか?

イシ○シ楽器の
お馴染みMさんに聞いてもらったら、TAMAからはそういう解答でした。いつ買うかも分からないベルブラスのスネアの為にフープだけ先に買っておく(笑)のも別に悪くはないですが、そこは何しろ「高額なベルブラス素材」というだけあって、上下のフープを買うだけで、他のスネアドラムが普通に「1個買えてしまう」金額になってしまいます。

いくら私が後先考えない性格でも、これはちょっと勿体ない感じがしました。
そんなこんなで、とりあえずいったん頭を冷やして考える事にしたのです。
話は変わって、ちょっと前に渋谷に新たなドラムショップが誕生しました。かの○ケベ楽器のドラム専門店「○rumStation」というお店です(ここまで隠語にする必要があるのか・・・?)
同○ケベ楽器、秋葉原の地下のリ○レ店と比較しても負けていない品揃え(言い過ぎかな?)、まあ少なくともお店の美しさでは渋谷に軍配があがります(笑)
師走も終盤にさしかかった頃、いつものようにネット上で中古ドラムや通販商品をチェックしていたら、あるショップの年末年始の営業日や営業時間に関する記述があったので、それを見ていました。

渋谷「○rumStation」初売りは2005年1月3日から、毎日日替わりで新春特別セールを行います。
1月3日の目玉「Pearlの××が○○円」「SABIANの××が△△円」・・・・・
1月4日の目玉「TAMA ベルブラススネア 5.5インチが特価の9x,xxx円」・・・・

何ぃぃ〜!! 何だとぅぉぉぉ〜!!!!

目の前の現実を疑いました。何と半額を切ってます。
早速広告を出している○ケベ楽器の店に電話を掛けました。素敵な甘い声のする女性スタッフが丁寧に対応してくれました(○ケベの常連さんなら誰だか分かるでしょ?)。「ああ、この声はリ○レにいたあの人だな」と思いつつ、初売りの詳細を尋ねました。
まず私が「この商品をどれくらい欲しいのか」という事を熱く語った(笑)後、(値段からして間違いは無いでしょうが)私にとって新型ではマズイので、ベルブラスフープの付いた「旧モデル」かどうか確認、商品は1台限りなのか、スネアケースは付くのか、開店前から並んだ方が良いのか・・・などなど。

とりあえず
前のモデルの展示品である」「ソフトケースが付く」「商品はその日1台限り」「申し訳ないが取り置きはできない」「どの程度のお客様が来られるか分からないので、やはり開店前から並んだ方が安全などの解答でした。「当日のスタッフに伝えておく」との事だったので、彼女に名前を伝えました。


そして年が明けて運命の2005年1月4日

目を覚まし気が付くと時計の針は仲良く頂点に・・・ほぼ昼になっています。うらめしいのは「年賀状の返信を書いていた前日の深夜の私」やられました「万事休す」です。アホな私はその運命の日に、一番やってはいけない事、あろうことか「寝坊」をしてしまったのです。

ベルブラスのスネアは私の手元をすり抜けて行きました。
かねてから運命論者(ウソウソ)である私はこう思いました。

きっと「縁」が無かったんだよ、神様は私に「買うな」とおっしゃっている。

たとえ今から行っても夕方近くになってしまいます。
しかし
私は早々に服を着替えるとクルマのエンジンを掛けました。

逃げちゃダメだ・・・
逃げちゃダメだ・・・
逃げちゃダメだ・・・(笑)
不思議に思わないで下さい。本当なら単純に「まだ売りきれていないかどうかの確認を電話一本で済ませれば良い」だけです。なのに私はとりあえず渋谷の店に行って、この目で運命を確かめたかった。もし私とこのベルブラススネアに「縁」があるのであれば、もし私に買われる事がもしこのスネアの「運命」なのだとしたら、たとえ夕方近くだろうが、きっと誰にも買われずそこに残っているはずです(笑)
渋谷に向かう道すがら、心の声が私にささやき続けます。

今なら引き返せるぞ、一体去年(2004年)幾ら使ったと思ってるんだ。安くなったって9万だ、国産の普通のスネアが2台買えるぞ。そもそも他にスネアなんかいっぱいあるじゃないか!どうせ演奏するときは使ったって1個か2個なんだからこれ以上増えてもムダだ。それに全然上手くなってもないのに・・・

上手くなってもないのに・・・
上手くなってもないのに・・・
上手くなってもないのに・・・

その声を振り払うかのように私はアクセルを踏み込みました。

あっけなく商品は無事(?)ありました。っていうか告白すると
「絶対まだあるはずだ」と思ったので遅刻してもクルマに乗ったのです。ベルブラスのスネアは重くて扱いづらく、普通の人なら興味があってもスネアを持ち上げてみた瞬間に諦めます。クルマなどで来ていない場合、持ち帰る事は不可能に近い商品です。ベルブラス素材はスネア界(何だそりゃ)の中でもかなりな異端児で、安くしたからといって「そうそう簡単に売れるものではない」と予想したのです。

年末に電話で対応してくれた甘い声のする女性スタッフ(さすがにお名前は書きませんが、この人の声ゾクゾクするほど最高なのよ…)さんが居ました。
「もしかしてあなたが電話をくれたPennyさんでしたか、買えて良かったですね。」とニッコリ笑ってくれました。そして私は支払い(ニコス3回払い)を済ませると、見栄を張ってそれを片手で軽々と持ち(笑)、鼻歌と共に私は店を後にしました。とかく「いくら何でも重過ぎる」と酷評されるベルブラスのスネア。オマケでもらったソフトケースのヒモが今にも引きちぎれんばかりです。恐らく私の顔は引きつっていた事でしょう。

元はシンバルの原料に使われるベルブラス、皆さん想像して下さい。シンバルは薄いのに1枚でも「結構な重さ」があります。その薄いシンバルを何枚も溶かして、ピザのLサイズ相当14インチのスネアの形に厚さ3mm、高さ5.5インチで削り出した場合、一体どれくらいの重さになるのか・・・

乗せたクルマのシートが凹みます。乗せた跡がスネアの形にクッキリ残るくらいの重さがありました。かさの大きなものと小さなものの重さが同じなら、小さなものの方がよりヘヴィに感じます。家に帰り重さを計ったらおよそ8kgありました。8kgという重さは鉄アレイなら慣れない人がケガをする重さです。大きな双子の赤ん坊を一度に二人とも片手で抱くのはお母さんじゃなくても大変でしょう。普通のメイプルスネアはだいたい3〜4kg程度、ベルブラスはほぼ倍以上です。


そして2005年の初レッスンの日

えぇ?、Pennyさん「また買った」んですかぁ???

先生はあきれた顔です(笑)
Penny " Bell Brass " とミドルネームを付けられました。

だって安かったから・・・
だって安かったから・・・
だって安かったから・・・(笑)

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