よくよく調べてみると、実は私の使っていたCamcoのペダルは、その事業をその後DWに譲渡し、要するにDW-5000シリーズはCamcoブランドの流れを汲んだ言ってしまえば「Camcoの新型」だったというワケです。いやあ無知は恐いですね、一体私は何に反発していたのでしょう・・・(笑)

ぱっと見て、まず普通のペダルとのその大きさの違いに驚きます。さすがは大型バイク「ハーレーダビットソン」を育んだアメリカ製、かなりでかくてゴツいですね。アンダープレートの付いていないTAMA HP45と並べるとまるで大人と子供です。またデザイン的に「黒と赤」のイメージが強いDWペダルの中にあって、アルミを多用し「黒と銀」という新たなスタイルで登場したこのDW-9000は、実にシンボリックで異彩を放ち、なおかつエレガントなたたずまいで、トップエンドにふさわしい「上手いデザイン」だと思います。店頭で見てるだけでグッときます。クルマでもバイクでもこういうのやらせると西洋人は上手い。デザイナーの実力が伺えますね。むしろ上野動物園のジャイアントパンダっぽいと感じることもありますが(笑)。

しかしそんな事よりも、このDW-9000の
何よりの特長は、見た目のゴツさからは想像できないほどの、まさに羽が生えたかのような究極ともいうべき「軽さ」です。まるでシルクのような滑らかなアクション。足の動きがそのままダイレクトに伝わる感覚というか、キックが下手くそな私でも、なんとなく上手く踏めているような(笑)そんな気にすらさせてくれるペダルです。

幅広のフットボードは
アルミのダイキャスト(限定販売した9000はチタンだったそうです)で、DWペダルのシンボルである(バイクの部品ぽい)赤くアルマイト塗装されたヒンジ部分はおろか、ビーターを支持するカムの内側にまでボールベアリングが封入されていて「カムそのものが動く」驚異のフローティングシステム。スプリングもボードのすぐ横である支柱の内側に配し、これまたカムに直で取り付けられているなど、常人では考えもつかないほど抵抗を極力軽減する工夫がされています。さすが「ペダルならDW」と言われるだけあって、何か執念のようなものすら感じさせる見事な造りになっています。
国内外の各社からリリースされている最近のフットペダルは「おいおい、ここまでいじれるのか!」と驚嘆するほど各種調整機能を擁しています(昔はバネの強さとビーターの長さを調節するくらいしかできなかった)。ご多分に漏れずこのDW-9000もチェーンを付属のベルトに変更することができたり、カムを六角レンチで自由に偏心(!!!)させて、踏み心地や踏み込みの加速度を変化させる事ができたりと、従来のフットペダルの常識を覆す恐るべき調整幅を有します。でも素で「スゲエ」と感心してしまうので、私には「まんま」でお腹いっぱい、何処もいじる必要のないパーフェクトな仕上がりだと思います。ちなみに長年使っていた私のアイアンコブラも調整機能はハンパではありませんでしたが、何となく「色々いじっても結局バランスが崩れるだけ」のような気がして、ビーターバランサー(重り)を外した以外、ほとんど調整はしませんでした。
以前、レッスン中にどうもペダルのプレイが上手くいかず、先生にいろいろと質問をしていました。

先生はフットペダルは何を使ってるんですか?
DWですね。5000のすごい前のヤツ。

やっぱりDWって良いですか?
ペダルって結局「慣れ」なんですけどね、それよりDWって「音がいい」んですよね。

え?、音ですか?

フットペダルといえば、軽かったり重かったり、スピーディーに踏みやすかったり、奏法でも例えばダウン奏法がやりやすいペダルだったり、アップ奏法に向いてる感じがするペダルだったりと、今まで恥ずかしながら私は「踏みやすさ」「踏み心地」しか考えた事がありませんでした。家に帰って手持ちのキックペダルを何台も取っ換え引っ換え試してみると、確かにそれぞれ音質が全然違います。・・・いやはや認識不足でしたね。

DW-9000の「シルクのような踏み心地」に感動して私は購入を決意したのですが、いざ自分のセットに取り付けて踏んだ瞬間、
他のペダルとの「あまりの音の違い」にがく然としました。グッと締まったサウンド、またいつもより低音も出ている感じがします。先生が言う「音が良い」とはこのことなのでしょうか、ビーターの形状のせいなのか、それ以外の理由があるのか・・・まるで別のバスドラを踏んでいるかのような印象でした。
確かにプレイヤーとフットペダルには「慣れ」と「相性」があると思います。また逆にどんなフットペダルであろうとも、使用して生じるすべての問題はその人の努力次第で解決できるモノだとも思っています。しかしながらこのDW-9000というモデルは、私にとって相性うんぬんなど通り越していて「永遠にこれで演奏し続けたい」と思わせるほどのペダルでした。何個もあったフットペダルを、エレドラや非常用の(小さく折りたためるタイプの)ものを残して「一気に処分する決意を抱かせる」ほど素晴らしい「名機」だと感じます。実際にDW-9000を購入した後、長年愛用した機種をオークションに出しました。以前わざわざオークションで落札した同機種のツインペダルも同時に出してしまいました。売れそうもない古いペダルは友人に譲ってしまいました。もう戻る必要が全くないと感じてしまったのです。
最近の心配事は「ちょっとやそっとのウデ(足)じゃ、なかなかDW-9000は持って行きづらいフットペダルだ」ということ。例えばライブなどでタイバンのドラマーから

「あの人9000使ってるのに全然上手くねえな(笑)」

と言われてしまいそうで恐い・・・

今現在の私とこのDW-9000では明らかにDW-9000の方が偉い。正直楽器の性能に負けております。例えるなら初心者マークがポルシェやフェラーリに乗っているようなもの。もしこの超高性能ペダルをもってしても上手く踏めないのであれば、間違いなく「私が」悪い。

嗚呼、こんな事では恥ずかしい!
なので「絶対に良いプレイができるように」なってみせます!!


そう、このハイハットスタンドと共に!

って、こっちも買ったんかい!!!

ミーハーでゴメンね、でも今年のテーマは「足」なんだよ〜ん!


最後にこの場を借りて、長年私と暮らしたフットペダルたちにお礼を言いたい。今まで本当にありがとう、君たちの実力を出しきれない下手くそな私ですまなかった。
君たちと格闘したあの日々を私は決して忘れません。


DW ホームページはこちら
http://www.dwdrums.com/

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